庭木として植えた南天の管理とお手入れ方法
南天はそれほど手間がかからないのが魅力ですが、丈が高すぎる枝や細い枝は切り取って整理しましょう。果実をつけた枝は翌年開花しないので、正月前に果実を生け花用に使うときに低く切りつめておきます。
せん定時期は、5月~6月の梅雨時。ひこばえ(切り株や根元から生えてくる若芽)の発生が多く、少し放置すると枝が込み合うのですぐに切り取ります。
庭木は年数が重なると樹形が変化するので、梅雨時に伸びすぎた枝を切りもどし、全体を低くしてあげましょう。
移植は4月頃か9月頃。大株は半年前に断根しましょう。
南天の人気が高いのは、縁起木であり、狭い場所でも植えられ育てやすいから。
庭木の場合、移植は植えつけに準じますが、南天は暖地性の植物なので4月か9月が基本。掘り穴には堆肥を混ぜこんでおき、南天の根元から30センチ程度の位置にスコップを入れ、根に土が残るように移植します。
大株のまま移植する場合は、半年前から1年前に株のまわりをスコップで断根しておき、葉を半分程度取って移せば、かなりの古株でも簡単に移植できます。
樹形を乱す美しくない枝は切りつめて、樹形を整えておきましょう。
さし木は3月~6月が適期。10cmに切り、上葉4~5枚残します。
さし木で南天をふやしてみませんか。
さし木は3月~6月が適期。その年か前年に伸びた活力のある枝を選び、10㎝の長さに切り、すぐに水あげします。先端のやわらかい葉や茎を切り取り、下は斜めにカットするのがコツ。上葉は4~5枚残し、下葉を取り除いて、赤玉土か鹿沼土に半分くらいの深さで均等にさします。水はたっぷりあげましょう。
明るい日陰で育てますが、葉がしおれるようなら遮光が必要。日照不足になると枝葉がやや間延びしてバランスが悪くなってしまいます。
冬は霜の当たらない場所に移すか霜よけを。春が近づいたら頃合いをみて鉢上げをします。
熟した果肉を取り、種を出して実生にトライ!
庭の南天に赤い実がついたら、早速、実生をつくってみましょう。
1:赤い実の果肉と果皮を取り除き、中から種子を取りだし、水でよく洗います。
2:平鉢に赤玉土を入れてならし、種を均等にまきます。水を十分に与え、用土を乾燥させないよう気をつけます。寒冷地の場合、凍結防止用にワラを敷きます。
3:発芽して込み合ってきたら、間引きを。初根したら3号ポットに鉢上げします。用土は赤玉土と腐葉土が6対4の割合です。
発芽後はワラを取り除いてください。
南天実(なんてんじつ)はせき止め。
南天竹葉(なんてんちくよう)は殺菌、防腐、血尿効果あり!
古くから薬用としても重宝されてきた南天。
南天の葉である南天竹葉には、アセトン、シアネイト、タンニンなどが含まれ、殺菌、防腐があります。乾燥させてお茶として飲むと、感冒、せき止め、ものもらい、血尿に効果があります。さらに、生の葉をすりつぶした汁は食中毒の特効薬として知られており、生の葉を噛むと船酔いをしないといわれています。
南天実は、よく熱したものを陰干しで乾燥させ煎じて飲むと、せき止めとして効果てきめん。煎じた液は、扁桃腺炎、口内炎、咽頭炎などのうがい薬、入浴剤などにも使われています。
また、樹皮や根皮には胃腸病、眼病に効果があるといわれています。
南天の持つチカラを科学的に分析 南天研究所