南天を育てよう

あなたは鉢植え派、庭木派。
難を転じて福となす。縁起の良い木「南天」を育ててみませんか。
まずは南天パティオで、栽培のコツを勉強してみませんか。

そもそも南天って、どんな特徴のある植物なの?

南天は本州の関東南部以西、四国、九州に自生する常緑低木で、今日では多くの園芸品種が庭植え、鉢植えとして楽しまれています。樹木の高さは1~3メートル。樹皮は濃い灰色で縦に溝が入っていて、葉は大形の3回羽状複葉。枝先に集中して対生し3~7cmになります。
花期は6月。6枚の花弁と6本のおしべをもった小さな白色の花を咲かせます。秋に鮮やかに紅葉し、11~12月ごろになると、果実は赤くたわわに美しく実ります。直径は0.7~1cmほどで、冬を通して鑑賞できます。
南天はメギ科の植物に分類されていますが、花被(かひ)、花粉、胚珠の形態、染色体数などが他のメギ科と異なっているため、別の科とする見方もあります。

南天は耐寒性があるからどこにでも植えられる。

南天は半日陰の湿った土地を好むので、家屋の陰となる庭先などに植える庭木として古くから愛されてきました。
丈夫で耐寒性があるため、排水が良ければ土質を選びません。どんな場所にでも植栽できるのが魅力です。ただし、乾燥地、風の強い場所は冬季に弱りやすいため、少し湿った場所に植え、堆肥を十分与える必要があります。
雨の多い年は受粉がしっかり行われず結実しにくいため、雨を防げる軒下などに植えるほうがベター。果実を多くつけさせるには、ある程度の日当たりが必要です。

庭木の植えつけは3~4月頃。堆肥を十分にすき込んで!

南天は暖地性の植物。暖かくなる3月から4月頃、9月中旬~10月が植えつけに適していますが、暖地なら夏以外はいつでも行えます。ポイントは、植え穴に十分に腐葉土(堆肥)をすき込んで植えること。水はけをよくして植えるため、土盛りも行いましょう。極端に乾燥する場合を除いて、水を与える必要はありません。
木が若いうちは放任でも構いません。放任すると丈が高くなっていきますが、庭木としては1.5メートルくらいが適当な高さです。
肥料は2月頃に完熟堆肥や腐葉土、鶏糞を埋め、9月頃にチッ素分、リン酸、カリ分を含む有機質肥料を与えます。肥料は多くする必要はありません。チッ素分過多になると実つきが悪くなるので要注意です。

実つきをよくするコツとは?

南天は陰樹として扱われることが多いとはいえ、実つきをよくするには日当たりが良い場所を選ぶことが大切。肥料を与えすぎると、実つきが悪くなるので、多少、栄養不足くらいの状態がいいとされています。
開花時に雨が多い場合は、花にポリ袋をかけたり、テントをかけて雨をよけると実つきがよくなります。また、近くに異品種が複数(2株以上)あると、小さい株でもいい結果に。庭木として長く植えている場合は、古枝の切りすかしで風通しをよくするのがコツ。シャベルを入れて根切りもしてあげましょう。
病中害はカイガラムシ程度。ブラシを使って手作業で駆除します。

鉢植えで楽しむ南天にはどんなものがある?

南天は庭木や切り枝として楽しむ品種には、赤い実をつける普通品種をはじめ、「シロミナンテン」とよばれる白実のものや淡紫色の「フジナンテン」などがあります。
鉢植えで楽しむ南天には、
キンシナンテン~葉が細く、丈が低く、生長が遅い。多数の園芸品種がある。
イカダナンテン~葉柄が組みあわさって筏(いかだ)状になる。
オリヅルナンテン~葉柄部や葉片が紙の折り鶴のように屈曲する。
ゴシキナンテン~紅葉時の色彩が変化に富んでいる。
などがあります。
用土は富士砂、矢作砂など粒状の水はけのよい砂がベスト。鉢土を乾かさないように灌水すると美しく育ちます。

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