南天研究所室

古来より生薬として親しまれてきた「南天」。
経験から、殺菌効果や咳止め効果があるとされてきました。
その効果は、何がもたらしているのか。
南天研究室では、武蔵野大学との共同研究で解った南天のチカラを紹介いたします。

はじめに

南天は古来より、咳や呼吸困難といった呼吸器系の病気に用いられてきた生薬です。
しかし、何の成分が作用してきたのかは、良く解らないままでした。
南天研究所では、南天実エキスが緊張で細くなった気管を広げ、呼吸を改善する効果があるかの実験をしました。

 

果たして本当に効果はあるのでしょうか・・・。

実は、南天実は本当に効く

実験では、特殊な溶液に浸したモルモットの気管を使用しました。 そこへヒスタミンやセロトニンという、私たちの体内で生成される、気管の筋肉を収縮させる物質を与えると、気管が収縮します。

 

次に、あらかじめ南天実エキスを加えた溶液に浸した気管に、ヒスタミンやセロトニンを与えると、気管の収縮が減少しました。

 

どうやら、南天実エキスには、気管の収縮を抑える効果があることが解りました。それは南天実エキスのどんな成分の働きによるものか?
そこで、まずは比較的に研究が進んでいる『ナンテニン』という成分に注目してみました。

効き目の秘密はナンテニン?

南天実エキスに含まれる成分の一つ、『ナンテニン』。
これを、モルモットの気管を浸した溶液に加え、次にヒスタミンを滴下してみました。
すると、気管の収縮を抑える効果が認められなかったのです。
セロトニンを与えた場合には、気管の収縮を抑える効果が確認できましたが、それは南天実エキスを加えた実験結果よりも、弱いものでした。

有効成分の正体は?

つまり、南天実エキスには『ナンテニン』以外に気管の収縮を抑える物質が含まれているということです・・・。

 

それは一体どんな物質なのでしょう・・・。

Tsukiyama M, Akaishi T, Ueki T, Okumura H & Abe K
The extract from Nandina domestica Thunberg inhibits histamine- and
serotonin-induced contraction in isolated guinea pig trachea.
Biol. Pharm. Bull., 2007, 30(11), 2063-2068.
【 IF2006 = 1.522 】

 

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